60年代のジャズの8ビートのリズムは、自由気ままな猫の暮らしとよく似ている、そんなことを感じているうちに、せかせかした人間社会をのんびり暮らす猫の様子で描いてみようと思いました。それがカバマルです。猫を擬人化するのではなく、人を「擬猫化」していくことで、猫と人の境界があいまいになっていく、人の言葉も猫を通して穏やかにやわらかく、ほんわかとなって受け手にもなじみやすくなるのです。カバマルのようなおおらかな性格で描くのはむずかしいですが、ジャズをBGMに描いているうちに、わくわく感が高まりカバマルの言葉ににんまりしてしまうこともしばしば。この楽しさこそ作品を見る人々と共有したいと願っています。

   
 
   
  作品を描くときは言葉から考えることが多く、まず最初に表現したいことを自分の人生観のなかで消化させ、その後、猫の言葉で伝えるために何度も何度も言葉を繰り返すようにしています。その言葉がカバマルのユーモラスな表情やしぐさとあいまって、1枚の絵が完成する。このように時間をかけて、ようやく納得のゆくものが紡ぎだされるわけです。その甲斐あってか、展覧会の会場で絵を見て「言葉に癒やされる」ということで支持を受けています。実際、日々の暮らしの中で自分の心に響いた言葉を大切にして、創作活動を続けているので、とてもうれしいことです。    
 
   
kabamaru
  水墨作家・岡本肇の人気キャラクター「Kabamaru」。
心を和ませ、笑顔を誘う猫の世界。彼らの言葉に耳を傾け、一緒に遊んで欲しい。
 
 
 
     
   
  カレンダーに水墨画を提供するようになったのは約13年前のこと。今ではカレンダーこそ、多くの人と楽しさが共有できるツールだと実感しています。たとえば、ふと目にしたときに、四季折々の美しさや五節句などの日本伝統を確認できたり…。カレンダーの絵を一つひとつの作品としてとらえるのではなく、たとえば七福神が宝船にのって日本全国を旅するなどのストーリーになっているので、月が替わりめくるときのわくわく感やドキドキ感が楽しめます。そして新しい月が始まるというありがたみも感じさせてくれますしね。だからこそ伝統を受け継ぎ、常に移り変わる時代にあったエッセンスを加えながら、カレンダーという伝統を進化させていきたいと思っているのです。    
 
   
  常々、作品を通じて、楽しい気持ちになって欲しいと思う僕にとって、カレンダーは最高のマスメディア。これまでたくさんの方に「癒やされました」「元気になりました」などと言っていただき、お役にたててうれしく思っています。とくに3・11の東日本大震災以降は、その気持ちがさらに強まり、毎日の暮らしで出会う楽しみを、僕自身がわくわくしながら表現したいと思うようになりました。カバマル、宝船や招福縁起物などのキャラクターは、表情も豊かで、福を招く開運のお守りとして、多くの人たちに親しまれているものがほとんどですからね。これからもみなさんが楽しく、ほっこりとするようなものを描き続けたいと思っています。    
 
 
   
 
   
 
   
 
 
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